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経済

 
 

ひっそりと盛り上がる「ブログ流行語大賞」

 もう年の瀬。世間で流行語大賞が話題に上る中、ネットでも「ブログ界流行語大賞」なる試みがひっそりと盛り上がっている。同業者として気になるのは新聞発のフレーズだが、今年はなかなかの豊作のようだ。

 まずはポエム系。昨年末のJR羽越線脱線事故についての毎日新聞社説のむちゃな批判「風の息づかいを感じていれば、事前に気配があったはずだ」。厳密に言えば昨年の話なのだが、社説という場で期せずして生まれたポエジーは今でも評価が高い。朝日新聞10月18日付の天声人語「ここはどこだろう、まっくらだ」も一応話題とはなったが、狙いすました直球のポエムゆえか人気はいまひとつ。やはり味は養殖モノより天然モノか。

 アクロバット系とでも称すべき一群の記事もある。塾帰りの女の子が刺されるという痛ましい話から突然「安倍晋三首相が所信表明演説したのも先月末だった」とのオチをつけた東京新聞コラムや、朝日新聞のファッション記事の唐突な結び「そういえば、自らの国家や民族に固執する右翼系の若者が世界的に増えているという事実も、多少気になるところだが」。「それにつけても金の欲しさよ」という万能の下の句を思い起こさせる、味わい深い力技である。

 そして、中韓と仲良くすべきかを問う毎日新聞のアンケート記事での「今回のこたえは数字の上では『しなくていい』が圧倒的だったけど、応募しなかった多数のサイレントマジョリティを考慮にいれて決定させてもらいます。中国・韓国とは仲良くしたほうがいい。あたりまえの話だよね」とのくだりにいたっては“豪快系”と呼ぶしかない。「サイレントマジョリティ(積極的発言をしない多数派)」という言葉を一躍流行語にし、無数のネタを生んだ、実にパワフルな一節だ。

 いやはや、新聞の持つ「言葉のチカラ」を実感させられた1年でした。(磨)

(2006/12/21 18:45)

 


 
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